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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂の子は嗜好品のままでよい

かきちゃん

 

 私にとっての蜂のイメージは、実直でクール、忍耐力と記憶力は抜群で美味、というところだ。そう、私にはミツバチよりもスガレ(クロスズメバチ)が蜂の代表格となる。
 幼い頃からアシナガバチの幼虫は美味なるものとして食してきたが、成人してから「蜂追い」を経験し、生きた蜂の生態というものを観察したことでこのようなイメージができた。蜂の一生は儚いものだが、一心不乱で実直過ぎるほどの生き様は、知れば知るほど感心するし親近感を持てる。
 幼い頃から食してきた経験と、観察から得た親近感があるためだと思うが、蜂の子を食べることに全く抵抗はなく、昆虫を食すというより身近な食材を食す感覚である。かつて「信州人は昆虫を食べる」と揶揄された時、「私は昆虫など食べない」と言い返したが、さほどに幼い頃から食べてきた蜂の子やイナゴなどは昆虫でなく、ごく普通の食材という認識でいたのだ。
 最近は、環境や食料問題から昆虫食が注目されているが、馴染みのない食材はゲテモノと言われても仕方ない。食には文化的価値観があることを忘れてはならない。価値観の押し付けは笑いものになるだけだ。
 そして、主食やメインディッシュになるような存在でない以上、嗜好品としての位置付けが相応しい。他人が何と言おうと、「私は好き」なのだ。ホヤだってナマコだって同じだ。「私は好き」というある種の優越感がマイナーながらも歴史ある食文化を継続させる原動力になっているのではなかろうか。
 そこからすれば、蜂蜜は羨ましい。欧米文化の攻撃にはかなわない。ホットケーキという洒落たお菓子の普及が高いポジショニングを実現させたのだろう。蜂の子はまだまだ嗜好品として潜行し続けよう。

 

(完)

 

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